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40日目!前編 ダライ・ラマと出逢うロサール -ダラムサラ- [インド旅行記-ダラムサラ-]

Dalai Lama.jpg

ロサールというチベット暦での正月でのことだった。

その日、チベット政府の亡命の地でもあるここダラムサラでは

ダライ・ラマの元、大規模な法要が行われる。
このめでたい日を朝から街の真ん中にあるチベット寺院で祝おうというのだ。

それは絶対に行かねばなるまいとオレは珍しく早起きをし、
眠たい目をこすり寺院に向かっていた。


前日にしずかちゃんとドラえもんも誘ってみたが、
起きられたら行くとのことである。

寺の中に入ろうとすると、入り口でボディチェックがあり、
すまないが・・・とカメラを取り上げられてしまった。

やだやだ!ダライ・ラマを撮るんだい!
とわがままなど言うつもりもなく、
オレは素直に従った。
オレは彼らにとって部外者だ。見たいものは目に焼き付ければいい。

dharamshala tenmple.JPG
《寺の広場》

寺の前の広場には早朝にもかかわらず、多くのチベット人が集まっていた。
やはり彼らにとっては特別な祭りなのだろう。

邪魔にならないようにしようと、
キョロキョロと空いているスペースを探していると
トントンと腰のあたりが叩かれた。

うん?と振り返るが誰もいない。

気のせいか・・・?とふと下を向くと
そこには小さな子どもがニコニコと立っていた。

どうしたの・・・って、オマエ!?

そう、それはエローラで会ったあの僧形の坊やであった。
RIMG0190.JPG

突然の再会に驚き、坊やが英語を解さないことを忘れ
元気にしてか?どうしてた?と口を開くオレに
坊やは、ニコニコと来てくれたの?言わんばかりに足元に抱きついてくる。

そうか、言葉なんていらないんだ。
オレも坊やもこんな奇跡を表す言葉なんて知らないのだ。

オレは腰をかがめ坊やを強く抱きしめる。

・・・しかし、あいかわらず気配消すのうまいなww


坊やはこっちだよ?とオレの裾(すそ)を引っ張り、最前列に連れて行った。
そして、ここに座って?と指を指す。

しかし、オレにはすぐ座ることができなかった。

この法要はチベット人達のものである。
部外者のオレがこんなVIP席みたいな場所に座ってもいいのか?
真剣にこの場に臨む人々への冒涜になるんじゃないのか?

オレはそのことを坊やに話してみたが
英語の通じない坊やはキョトンとした顔でまた座って?と席を指差す。

困ったな・・・

すると隣に座っていたチベット人のオバちゃんが、オレの裾(すそ)を引き
「いいのよ。この子、あなたに会えて嬉しいみたいだし。」とニコリと微笑む。

ここまで言われて断るほうが無礼であろう・・・

オレは意を決し、坊やの指差す場所に座った。
少しでもスペースを空けれればと石畳の上にあえて正座をすることも忘れない。

優しい人に囲まれれば、人はどこまで優しくなれるものだ。

横に座る坊やがニコニコとオレを見つめている。
オレはカバンの中から、たった3枚になったORIGAMIを取り出し
さあ、なにしてほしい?とばかりに微笑み返した。

dharamshala budda.JPG

法要が始まってもう一時間が過ぎようとしていた。
ボエーボエーと低いチベット特有のお経が鳴り響いている。

話し声もしない荘厳な空間で、オレは一人戦っていた。
長時間、石畳の上で正座。それはまごうことなく拷問であった。
その苦行は足にとてつもない痛みを残していた。

しかも、広場はその後も増え続けた参拝者で満杯になっており
いまさらあぐらを組むスペースなどなかった。

ううう・・・いたいよお・・・

限界などとうの昔過ぎ去っていた。

坊や少し詰めてくれんかね・・・
うう・・・真剣な表情で祈る彼にそんな事言えるわけがない・・・

そうだ!立膝をつこう・・・
いや、だめだ・・・坊やがその姿を見ればどうなる?
坊や「おいおいジャップのヤツ、法王の有り難いお経に立膝ついてやがったぜ!」
チベタン「きゃージャップさいてー」

・・・いかん!そんなことはぜったいに許さんぞ!

彼らがチベット人の誇りを魅せつけたように
オレは日本人の誇りを魅せつけねばならんのだ。

賞賛もないオレの孤独な戦いは続く。
そして、ふと気づくとお経は終わっていた。
・・・気絶していたのかもしれない。

すると、すこし離れた場所から「わぁ」と小さな歓声があがる。
ダライ・ラマが姿を表したのだ。

そして神輿のような乗り物に乗ったダライ・ラマが
ゆっくりと近づいてきて、オレの手の届きそうな場所に止まる。

Dalai Lama smile.jpg

ダライ・ラマは静かな熱狂に応えるように、
写真で何度も見た優しげな表情で群集にうなづき、
ゆっくりとその場を去って行った。

その姿に飲み込まれてしまい、
ふっとオレの足の痛みがやわらいだ・・・確かにそんな気がした。
そして今でも、あの優しげな表情が
脳裏に焼き付いたまま離れない。

dharamshala lamahouse.JPG
《ダライ・ラマ邸》

法要が終わり、隣のオバちゃん家族に
「バター茶でも飲んでいきませんか?」と誘われたので
坊やと一緒に道端の屋台でその不思議な味の飲み物を飲んだ。

自分の分ぐらいは、と支払おうとしたが
彼らは「お客さんなんだから」とソレを許してくれなかった。

オレはダライ・ラマについて
足の痛みも忘れ彼らと語りあった。
あのひと目で人を魅了するカリスマ性はすごい!とオレが熱っぽく語ると
彼らは「そうでしょう?」と嬉しそうにニコニコとしている。

だけど・・・とオレはふと思った。
いやコレは口に出すのはすごく失礼で無礼なことかもしれない。
だが好奇心には勝てずオレは結局それを口にしてしまった。
もしダライ・ラマが亡くなったら、どうなるんだろう。と。

彼らはそんなオレの無礼を叱ることも、たしなめることすらせず
「ただ、生まれ変わるだけだよ。」と微笑み言った。

「そしてまた会える。」横に座っていた僧侶がそっと付け足した。

そうか、生まれ変わってまた会えるのか。
なんかステキだね。と言うと

坊やはオレを指さし「あなたも・・・そうだよ」と言った。

オレは嬉しくなった。

オレも彼らの精神文化の一部だと
認められたような気がして嬉しかったのだ。

静かにたたずむ彼らと微笑みあう。

「おおい!のび太くーん!」「のび太ちゃーんこっちだよー!」
静寂を打ち破るように突然の呼び声が響く。

おどろき振り返ると、

そこには、生まれ変わっても
また会いたい悪友たちが手を振っていた。



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